大阪のG

勝手気ままなジジ日記

六月十七日 福祉の世界では…(6)

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先日は手段、技法として

明確化、焦点化、要約、直面化についてお話ししました。

 

今回はそれにも若干関係がありますが

情報収集(アセスメント)について書こうと思います。

 

介護職でなくとも日々高齢者、障害者の方々と

関わっていく中でその方の事をいかに知るかという事、

どれだけの情報を知っているかという事はとても大切。

 

昔は高齢者、障害者は「出来ない人」として認識され

極論すれば「何から何まで手伝ってあげないとダメ」

と考えられてきました。

 

現在は「そうではない」と言うことが広く知られ、

また在宅での介護をメインとする方針も合わせて

「出来ること」や「出来るけどやっていないこと」に

着目し、自分の持つ力を活用していただくことを考えつつ

介護を行う風潮に変わってきています。

 

では、その為には何が必要なのでしょう?

「何をしているか」「何が出来るか」「何が出来るけど

(ある理由から)やっていないのか」を知る事ですね。

 

介護職の方の場合だとICFに基づくシートを作り、

そのそれぞれの構成要素を調査記入し、

そこから導き出されるその方の全体像を知ろうとします。

そのうえで、出来ることややっていないことを調査

していきます。

 

その方法は介護職でなくとも利用出来る考えです。

 

今回はそんな話をザックリと。

 

 

ICFとは(国際生活機能分類)と呼ばれる世界共通の

分類方法なんですね。

その根底にあるのは「出来ることを探そう」。

 

ICFでは高齢者、障害者の方々の様々な側面を

 

1)健康状態(体調や病気の様子)

 

2)心身機能や身体構造

(心理面、機能面での障害や要介護度、服薬、バイタルなど)

 

3)活動

(日常生活での家事、移動、身支度、食事、排泄、入浴など)

 

4)参加

(生きがい、余暇の過ごし方、地域や家庭での役割や意欲など)

 

5)環境因子

(生活環境、経済状態、家族関係、サービス利用の状況など)

 

6)個人因子

(価値観や習慣、性格や個性、生活歴、特技、人生観など)

 

に分けて記入するようになっています。

かなり細かいですよね。

 

これを書こうと思ったら、あなたはどうします?

しっかりとした観察が必要だと思いませんか?

 

聞き出せる事はちゃんと聞き出して、非言語で表現される

事も読み取って、それ以外に事前の情報にも目を通して

色んな方の話を聞いて…。

 

その上で、日々のご本人の様子を見る。

常に「何故だろう」という観点で、細かい事まで目を配る。

「いつも髪は綺麗なのに今日は何故だろう」

「いつも服のボタンは止まっているのに何故だろう」

「いつもちゃんと靴下はいてるのに何故だろう」

「いつも明るい返事なのに何故だろう」

 

そういう気づきが上に書いたシートにも反映され、

よりその人に寄り添う介護へとなっていくんですね。

出来ることを発見していく道しるべになっていくんですね。

 

「これは機能的には出来る筈、でもこういう考えで

やっていない。それならばどうすればいいのか?」

「人生観や周囲の環境も考慮して、こんな声かけをしてみよう!」

そんな風に活かしていけると思いませんか?

 

この記事が参考になり、少しでも誰かの為になりますように…。