大阪のG

勝手気ままなジジ日記

六月九日 福祉の世界では…(4)

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例えば、何らかの出来事があり、

利用者さんがそれまで行ってきた事や

介護職や家族が当たり前に行ってきた事を

変えて行く必要に迫られる事がありますね。

 

そういう場合に、

今まで行っていた事を否定的にとらえて

変更しようとすると、必ずと言っていい程

感情的な軋轢が生まれます。

 

なので、これまでの方法に共感を示しつつ、

新しい方法の導入や試みを行っていく必要が

あります。

 

そういう場面での同意を得る為の

コミュニケーションの技術として

 

明確化

焦点化

要約

直面化

 

という技法が考えられています。

 

今回はそんなお話を…。

 

明確化とは相手の話す内容を

確かな事か、不確かな事かを探る為の技術です。

まとまりがつかない会話を

質問を通して、または非言語的コミュニケーションを通して

明確にし、内容だけでなく、気持ちや思いまでも確認していく事。

「何が言いたいのか、その思いは?」

それを明確にしてゆきましょう。

 

焦点化とは相手の話したい事を

明確化した後で、その焦点となる部分を受け止めて理解し、

自分なりの言葉で利用者さんにフィードバックする技術です。

明確にされた内容のうち重要で話の焦点となる部分を理解して返す。

焦点化が間違っている場合には明確化から再度やり直していきましょう。

 

要約とは

言いたかった事が明確化され、焦点を絞りその前提となる

気持ちや思いも理解したうえで、「あなたが言いたかった事はこうなのか?」

と正確に意図する部分、意味、思いなどを伝える技術です。

 

直面化とは利用者さんが自分の行動、言動をそのまま続けていると

どういう影響が出るのかという事を、

これまでより深く考えられるようにきっかけを作る技術です。

但し、直面化はよほど信頼関係が築けていないと破綻する恐れがあります。

なので、徐々に。その信頼関係の度合いに応じて。

また、利用者さんの尊厳を守りつつ行う必要があります。

 

 

 

何らかの変更を行いたい場合。

新しい提案をするだけ、又は利用者さんの意思を無視して

行うのではなく

 

言語、非言語を含めた利用者さんの意見、思いを

 まずは尊厳を守りつつ聞き出し、

 その言いたい事、気持ちや思いを明確化し

 

明確化したそれらのうち、最も大切な「譲れない部分」は

一体何なのかを焦点化し、

 

焦点化した部分と明確化した部分をその人の気持ちも含めて

自分の言葉で要約して利用者さんに返し、確認する。

 

その上で、

その方法、それまでの行動を取っていると今後どういう影響が

出てくるのか、何が不都合なのかがより深く考えられるように

その問題点に直面してもらい考えるきっかけを作る。

 

但し、いずれの場合でも質問であっても詰問であってはならず、

信頼関係の範囲内を見誤る事なく、落ち着いたゆったりした声で

行うよう心がけなければなりませんね。

 

文章で書くと、いとも簡単そうですが(笑)

とても難しいコミュニケーション技術の一つ。

信頼関係が強固になるまでは使えない技術でもあります。

 

日々の関わりを大切に。

利用者さんを深く知ってから。

 

何かの時に思い出し、使っていただければ幸いです。