7月7日 心と体のしくみ(2)
さて、小脳梗塞が起きる原因として
心原性脳梗塞、椎骨動脈解離があると
申し上げました。
んが、ちょいと訂正。
これらの原因とされるものはなにも小脳梗塞に
限らず、脳梗塞全般の原因なんですね。
なので
と訂正させて下さい。
では例によってザックリですが…
簡単にご説明させていただきます。
脳の深部にある細い血管(末端ですね)部分が
詰まりその周辺に小さな梗塞が起こる。
多発性で継続性があります。
高血圧の方、2型糖尿病などの方が発症しやすく
何度も繰り返し起こると脳血管性認知症を
起こすことになります。
(脳血管性認知症については前の記事をご覧ください)
日本では昔から多く発症していたラクナ梗塞。
生活の洋式化によって発症率は減っているそうです。
ちょっとした手足のしびれなどが起床時にあるが
しばらくすると特に問題なく生活出来る…
そんな場合で高血圧、糖尿病などの方については
MRIなどでの検査をお勧めします。
脳の太い血管に血栓が詰まり発症する比較的
広範囲に及ぶ脳梗塞ですね。
糖尿病などの方は起こりやすいと言われます。
症状としては重く、広範囲なので色んな面で
障害が起こりやすくなります。
比較的高齢者(70歳以上)の方が多いようです。
今は脳梗塞の原因のNo.1ですね。
心臓病(心房細動(不整脈)などにより形成された
血栓が脳に届き、発症します。
血栓の大きさにもよりますが、大きな場合は
脳梗塞と同様に広い範囲に影響が及びます。
【椎骨動脈解離】(脳梗塞の原因の8%)
脳に届く動脈は頸動脈(首の前)と椎骨動脈
(首の骨の中)の2つがあります。
血管は内膜、中膜、外膜から形成されていますが、
例えば首を回す動作、過度のマッサージ等の外力に
よって、この血管の内膜に傷がつき、その部分に
血液が入り込んで血管が裂け、傷が広がることで
どんどん血液が内膜と中膜の間に溜まり、結果的に
血管が細くなり詰まる事で起こります。
(血管が破れてしまうとくも膜下出血になります)
比較的若い方に多く起こり、高血圧や糖尿病などの
既往症とは関係なく起こります。
血管が傷つき血管が裂ける段階で激しい頭痛が起こる
事が多く、その時点で治療すると予後の後遺障害は
ほとんど出ないと言われています。
いずれにしても定期的な検診、微細な症状の段階での
受診がとても大切と言えますね。
次回は脳幹梗塞について書かせていただきます。