大阪のG

勝手気ままなジジ日記

六月二十四日 福祉の世界では…(8)

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さて…と。

前回は

認知症には中核症状とBPSD(行動心理症状)

ってのがありますよという話をいたしました。

 

BPSDには過活動BPSDと非活動BPSDがあります。

 

過活動BPSDには

興奮、不穏、幻覚、妄想、物盗られ妄想、大声、

性的逸脱行為、焦燥、易怒性、攻撃性、過干渉、

弄便、暴力、自殺念慮昼夜逆転、徘徊、異食、

過食、夕暮れ症候群、常同行為などがあり

 

非活動BPSDには

うつ状態、喪失感、不眠、意欲低下、拒食、

摂食障害などがあります。

 

極論すれば、

過活動はフルスロットル状態で非活動はガス欠状態。

 

ですが…

 

認知症にも色々。

 

前回も申し上げましたが、共通するのは

神経細胞の障害から起こる、様々な障害という事。

 

当然の事ながら、認知症に色んな種類があるのは

それぞれに様々な症状があるからですね。

 

ザックリ書いていくと…

 

アルツハイマー認知症

全体的な知能低下人格の変化が見られます。

その程度によって…

 

1)軽度

時間の見当識、物の置き忘れ、物盗られ妄想、

実行機能障害(IADLの障害)、徘徊など

(時間が分からない、どこに置いたか分からない、

ひょっとして盗られたのかも、探さないと…)

 

2)中等度

場所の見当識、記憶障害の進行、幻覚や

尿失禁の出現など

(ここ何処やろ、部屋の隅に立ってるお爺さん

に聞こか…や新しい事が覚えられない、

尿失禁など)

 

3)高度

人物の見当識、重度記憶障害、嚥下障害の進行、

全面介護、姿勢の維持や歩行の困難など

(人が分からない、1分前の事が分からない、

飲み込めない、じっと姿勢が維持出来ない、

歩くのが難しいから全面的な介護へ)

 

と進行していきます。

記憶の障害や見当識障害。

ADLやIADLが犯されていき、寝たきりに。

 

 

 

次に多いのが

 

【脳血管性認知症

脳の損傷部分により症状が影響される「まだら認知症

男性に多い。(生活習慣による)

抑うつ、感情失禁(ダダ漏れ)、せん妄、片麻痺

自発性低下の症状が多い。

人格は保たれている人が多い。

50代以降から加齢と共に増加。60〜70代の人が多い。

知能の低下にもむらがある。

 

という特徴があります。

損傷した部位によって出る症状も様々ですが、

アルツハイマーは徐々に症状が進むのに対して

脳血管性は急速に症状が現れます。

アルツハイマーは人格が変化するのに対して、

脳血管性は人格変化がほとんどなく、

穏やかな人は穏やかなまま…というのが違いますね。

圧倒的に男性が多いのもアルツハイマーとは逆。

アルツハイマーは女性が多い)

 

 

 

3番目は

 

レビー小体型認知症

鮮明で具体的な幻視症状レム睡眠行動障害、

パーキンソン症状、日中の状態変動、

パーキンソン病でも同様にレビー小体が大脳皮質の

神経細胞にも現れる。

幻視や記憶障害については投薬で経過観察。

筋肉がこわばり歩行障害、動作が遅くなり

転倒の危険性も高い。

 

レビー小体の場合の最も特徴的な症状は幻視

特に夕暮れ時や夜間などによく見られます。

レム睡眠行動障害とは寝ている時にいきなり

大声を出して暴れたりするような症状を言います。

 

 

 

もう一つ、

【前頭側頭型認知症

外科的な手術が不可能な認知症

初期から全く人格が変わってしまいます。

前頭側頭部の脳の萎縮、血流の低下などが原因。

物忘れをするが忘れたという自覚はない。

進行は緩やかなことが多い。

常同行動。(同じ動作を繰り返す)

社会性が欠如し万引きなどに罪悪感を感じない

排尿排便も決まった場所以外でしてしまう、

人を傷つける言動があっても本人は気づかない。

などなど

 

ある意味、一番厄介な認知症かもしれません。

 

 

で、これらの様々な認知症

様々な中核症状やBPSDが表出してくる訳ですが…

 

あ、長くなったので続きは次回。

次は「幻覚、妄想、せん妄の違い」から

スタートしたいと思います。