大阪のG

勝手気ままなジジ日記

7月4日 福祉の世界では…(10)

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昨夜はめちゃくちゃ眠くって…。

ほぼ1日寝ておりました。

 

さて、ここまで書いてきた事なんですが、

 

認知症には様々な種類がある。

認知症には中核症状とその周辺で相互作用によって

 引き起こされる症状(BPSD)がある。

 

という風な内容でした。

 

様々な認知症が様々な症状を引き起こす。

その認知症なら確実に起こる中核症状と

個人差のあるBPSDがあります。

 

この個人差はとても大きく、

ある方は顕著に現れることがあり、ある方は

全く現れないこともあります。

 

また、ある方にはAという症状が現れ、

違う方にはBという症状が現れることもあります。

 

BPSDは環境、脳機能、心理、身体の

それぞれの要因によって左右される性格があります。

環境が違えば出ないことや、その人特有の

心理から出ることも。

 

 

一つ、こんな例をあげてみましょう。

 

ある方がトイレに行きました。

が、便座の蓋を開けずに排尿(失禁)して

しまいました。

いわゆる尿失禁ですね。

 

一般的には尿失禁はBPSD(人によって出たり

出なかったりする症状)であると考えられます。

ずっと最後の方まで失禁しない方もあるから…

じゃ、これはBPSDでええんよな?

 

そうでしょうか?

 

例えば、筋力が衰えた事で歩きにくくなり

間に合わなかったのかもしれません。

それなら運動量を調整すれば間に合ったかも。

 

便器の蓋の意味が分からなくなっていたのなら

これは失認かも。

 

便器の蓋は分かったけど、開け方やその後の

排尿までの手順が分からないなら失行かも。

 

失認、失行による尿失禁であれば中核症状です。

 

ADLの観点でこれを見てみると生活障害なのかも。

 

 

尿失禁一つをとってみても

BPSDである場合もあれば、中核症状である場合も

運動量の不足や生活障害である場合もあります。

 

施設などでは

忙しくて前後の状態を見ることも出来ず、

尿失禁という事実だけで「BPSD」と判断する

事もあるかもしれません。

 

細かい所までちゃんと見ていてくれるところなら

「これは失行による尿失禁なので中核症状」と

考えてくれるかもしれません。

 

ご自宅での尿失禁も同様。

どういう経緯、どういう周囲の変化があり、

本人の変化があり、尿失禁に至ったかという事を

知ることは大切です。

 

中核症状はほぼ確実に全員が出ます。

BPSDなら改善する可能性があります。

 

単なる事実だけでなく、そこに至る過程を

しっかりと見極めていくこと、

施設の方が「BPSDです」と言っても本当に

そうであるのか、それを確かめる事は

とても大切です。

 

「BPSDだ」と言われても、それは違うかもしれない。

「BPSDはBPSDではない」という観点を持ち、

本当の原因を探る姿勢はご本人にも家族にも

大切なことです。

 

何でもかんでも「BPSD」で片付ける施設なら

ご注意下さいね。

ちゃんと見てくれていればそういう言い方には

決してならない筈ですから。